The insect world of Kae Isono. 第2期Object特別展示はじまりました!

こんにちは!アートクレイ工房の大久保です。
工房のラウンジでは先月より礒野 馨惠先生の作品を全2期に分けて特別展示しています。
6月29日(土)で終了した第1期は「Accessories」。前回の展示はこんなんでした!

昆虫モチーフのリングやネックレスはどれも愛らしく、礒野先生の溢れんばかりの昆虫愛が詰まった作品ばかり。ひときわ目を引くトンボのネックレスは翅(ハネ)の支脈が緻密に作り込まれた可動式のジュエリーで、まるで標本のような一品です!
作品を見た方々からは「すごいよね~すごいよね~」と感嘆の声が上がっていました。


そして7月からの約1ケ月間は待望の第2期「Object」を展示しています。

こちらの2作品は
展示右側が「2017年 第15回銀粘土でつくるシルバーアクセサリーコンテスト」より特別展示【冬虫夏草~時の流れ~】


展示左側が「2021年 第17回銀粘土でつくるシルバーアクセサリーコンテスト」より特別展示【標蟲】

そうです、そうです、スカラベあるいは別名フンコロガシですね!
コンテスト会場でもその完成度の高さに時間を忘れて見入ってしまった作品でしたが、今回の展示にあたり作品を手に取らせていただいたところ、本当に細部まで丁寧に繊細に作られていて、
しかもどちらも『リング』として身に着けられることに感動!着装した様子は海外セレブか礒野先生か、くらいのインパクトがありまして、写真を取り損ねたことが悔やまれます~。

スカラベが一生懸命転がしている『フン玉』には、過去に開催した礒野先生セミナー「くるくるペンダント」のモチーフが組み込まれていたり、よーーーーーく見ると内側にはびっしりと青貝が敷き詰められていて螺鈿細工風になっていたりと、そのテーマのユニークさと異素材との組み合わせセンスもさることながら匠の神業が炸裂してるんです!
これはぜひ実物をご覧いただきたいのですっ!!!

こんなところにくるくるペンダントモチーフがっ!
内側は青貝でびっっっっしりと埋め尽くされています

今回はこちらの展示を記念して、日頃から礒野先生が愛する昆虫たちへの思いを突撃インタビュー!先生が立ち上げたブランド「MUI – MUI」についてもお話を伺いました。


Q、昆虫好きはいつからですか?

礒野先生  小さい時から虫好きで、よくポケットに虫を入れて持って帰ってくる女の子でした。
その「好き」の気持ちは、大人になっても虫嫌いになったりせずに今に至っています。

Q、昆虫の魅力とは?

礒野先生  虫の魅力はすごく小さいのに洗練されたデザインだから。子どもの頃からそのカラダの構造を「美しいな」「可愛いな」「小さくて愛おしいな」と思っていて、その愛情が飽きずにずっと残っています。

Q、昆虫とジュエリーを組み合わせて制作する際にテーマはありますか?

礒野先生  昆虫は命を守るため、子孫を残すために「擬態」するんです。敵から身を守るために葉っぱや枝に擬態している。この地球上で一番多い昆虫とその天敵である人間、という観点から「ジュエリーに擬態した昆虫と人間の共存」をテーマにしています。
リアルな昆虫はいくらでも作れますが、宝石が背中に乗っていたり、脚がブローチ金具になっている、自然界での擬態でなくて人間界で擬態したらジュエリーになった、というストーリーで制作しています。

Q、先生がいちばん好きな昆虫は何ですか?

礒野先生  カミキリ虫ですね~。「MUI – MUI」のロゴにもなっています。上半身がカミキリムシで下半身が人間なんです。

Q、先生が立ち上げたブランド「MUI – MUI」についてお聞きします。ブランド名の由来は?

礒野先生  関西圏の幼児語で「虫」という意味があります。子どもが「おかん、むいむいおるよ~」とか言ったり。虫と植物を合わせたものをつくることも多いので、キャッチーで覚えてもらいやすい名前でつけました。

中学生の時には陶芸で人間からカミキリムシに変わっていく作品を五体作ったのですが、その時からこういうブランドを立ち上げたいなと考えていました。高校からは革細工などもやり始めたので、全体的なファッションコーディネートをやりたかった。服、カバン、アクセサリー、ヘッドドレスとか。全部自分でつくったもので身を固めたいなと思ってスタートしました。それが今の「MUI – MUI」となっています。

幼稚園の時から絵画教室へ通っていて、それからずっとそれしかない生活をしていたので、好きなものとかやりたいことが幼い頃から明確に決まってましたね。虫の死骸を拾って飾ったり、標本を集めたりもしていましたが、動物とか植物とか色々なものが好きです。いろんなものを混ぜて全体的に「あ、これ「MUI – MUI」だよね」となるようにしたくてずっと形つくっています。

Q、最後に、ズバリ礒野先生にとって「昆虫とは」?

礒野先生  なんだろう?寄り添ってるとかではなくて自分に戻れるものですかね。生活していくと自分を忘れがちなんですけれども。
自分ってなんだっけ?って思った時に、自分の根源となるもの、幼稚園の時に戻れるみたいな感じですね。

最後は完全にプロジェクトXって感じで締まりました。
小さいころから本当に「好きなもの」、「好きなこと」をずっと大事にしていたら今の仕事まで繋がった、という素敵なお話しを伺うことができました。
というわけでして、特別展示期間中はぜひ工房へ足をお運びいただき、作品をゆっくりと、じっくりと、下から横からナナメから、隅々までご堪能いただけるとうれしいです。

以上、現場より大久保でした!


礒野 馨惠先生 作品特別展示
The insect world  of Kae Isono.
第2期Object 2024年 7月1日(月)~8月31日(土)
アートクレイ工房本部 府中教室にて開催中!

大阪芸術大学工芸学科金属工芸コース卒業。
2011年 銀粘土技能認定証を取得後、20○○年 アートクレイ工房大阪教室にて技能認定講座の講師を務める。
20○○年  自身のブランド「MUI – MUI」を設立。
20○○年  自身のアトリエ「atelier MUI-MUI」をオープン。
アートクレイ本部講師としてアートクレイ倶楽部主催セミナーや地域セミナー、オランダ他海外においても技術セミナーの講師を務める。またオリジナルアクセサリーの制作、販売の他、オーダーメイドアクセサリーの制作も手掛け、大手専門店での販売やアパレルブランドとのコラボレーション作品を発表するなど活躍の場を広げている。